視線を緩やかに遮るただし、住宅密集地のなかで南面の前面道路に対して、大きな開口部とウッドデッキを設けるのは容易ではない。各方向からの視線に常時晒されているようでは、ウッドデッキでのんびりすることなどできないし、開口部も全開しにくい。そこで、大きなマンションのある東南側の視線から開口部を守るようにウッドデッキの東側に玄関スペースを設けて、低層の住宅が建ち並ぶ南面、西面は、植栽で視線を遮るようにした。植栽は、緩やかに視線を遮る効果がある。昼間であれば、外側からの視線を緩やかに遮り、外側の景色や光、風を緩やかに取り入れる。1階には、この大きな開口部以外にもいくつかの小さな開口部を設けているが、いずれも開口部の正面に植栽を設け、緩やかに外側からの視線を遮っている。ウッドデッキの床は室内の外部を取り入れるかでしょう」と述べられていた。「豊かなものはすべて外部からやってくる。外部と関わらない人は豊かになれない。もちろん、悪いものも外部からやってくる。何を取り入れ、何を取り入れないかが大事で、設計も同じではないか」ということだった。外部との関わりが、住まいの心地よさに大きく影響する。それを制御していくために、開口部のあり方と建具のデザインは重要であると考えている。（伊礼智談）サッシ部門金賞世田谷の家床から300mmほど上げている。最近では、バリアフリーを考えて室内の床とデッキの床高さをそろえる場合が少なくない。しかし、こうすることで空間に変化が与えられるし、300mmの段差がベンチ代わりにもなり、家族の「溜まり場」としても機能する。また、ウッドデッキの手摺壁高さを調節することで、手摺壁にも腰掛けられるうえに、前面の駐車場に停車した車や道路を往来する車が視野に入らないようにした。外部と関わることの重要性ここまで窓や外部と内部のつながりについて述べてきたが、この住宅に限らず、窓の設計こそ住宅においてもっとも大事な要素であると考えている。数年前、哲学者の野矢茂樹氏と座談会でご一緒する機会を得た。そこで野矢氏は、住宅のあり方について「住宅とはどれだけ2710752.5109.52052.5207233.5186.510159040471040248.55015233.5207103301040103022767.59.52052.512.5111.552.52571052.52052.52710752.515248.5186.5155020747248.5186.51,90027251047129.51,900309.52052.517.515282732725762186.5176.59.531925767.5272,5532752.5120□繊維混入ケイ酸カルシウム板t9.5石膏ボードt12.5EP▼デッキFL1FL▼水抜きを考えるデッキ大引90□デッキ束90□1FL＋300▼戸袋鏡板ピーラーt10縁甲板張り木材保護塗装▼デッキ▲2FL＋2,200屋 外レッドパインt15構造用合板t28ウンスギt27▼2FLリビング1FL＋300▼目地6ガルバリウム鋼板小波10.35通気胴縁t20透湿防水シート繊維混入ケイ酸カルシウム板t9.5ケイ酸カルシウム板t12AEP目地3决り6リビング屋 外S=1/10サッシ廻り断面・平面・戸袋部分詳細図08The2ndTOSTEMArchitect&SupplyContest