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大開口で空間をつないで、暮らしに広がりを持たせた住まいK邸古川都市建築計画古川達也サッシ部門銅賞26The2ndTOSTEMArchitect&SupplyContest
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1階/2階のスペース機能を旧邸から逆転地名から受けるイメージとは裏腹に、小高い丘陵地に静かな住宅街が広がっている横浜・大船。緑が多い街区に建つK邸は、公園やマンションなどが隣接する場所にある。建て主はこの地に住宅を求め長年住み続けていたが、子供が成長していささか窮屈になり、また雨漏りなど老朽化が目立ち始めたのを機に新居建設に踏み切った。決して広くはない角地で、すぐ前には人通りの多い道路があり、隣地の住宅やアパートとは近接している。一方道路をはさんだ向かい側には小公園があり、樹木や芝生など緑の景観がある。そうした土地の長所・短所を知り尽くしている建て主だから、新居に求めるテーマや要望は明確だった。ひとつは、限られた敷地の中で室内空間にゆとりを確保すること。そしてもうひとつは、近隣の視線を遮りながら周囲の景観を生かすことだ。今までの住居は、1階が居間やキッチンなど家族が集まるスペース、2階が寝室や子供部屋などのパーソナルなスペースで、しっかりと壁で仕切られ手狭になっていた。そこで新居では、1階と2階のスペース機能を逆転させ、2階にリビングやダイニング、バスルームなどを設けて家族の暮らしのメインフロアとし、1階は各々の個室ゾーンとした。立地条件をプラスに生かし切る2階スペースの半分を占める12畳大のリビング。その南側および西側の2面に大きな開口を設けたが、南側は隣家に近接している。そこで3枚建てのテラス窓をしつらえた開口の先に、ベランダ基底部から1300mmほど立ち上がる手摺壁を設けることで気になる視線の問題をクリアした。外から見ると手摺壁が窓を大きく覆いクローズドな印象となるが、室内側から外を見ると上方に広がる空などの眺望が隣家を気にせずに楽しめるうえ、適度な風と光が入る。一方の西側は、周囲からの視線を気にすることなしに公園の樹木や丘陵地の景色が楽しめる好条件。南側とは逆に景観を室内に思い切り取り込む開口とした。好条件を生かし切り、あまり好ましくない条件も逆にプラスに転じるようなプランになったと思う。リビングからデッキ越しに公園を望む27
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