CW施工例集 VOL.6 4-5(8-9)

概要

  1. 心豊かな未来社会を築いていくために
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SHINNIKKEICURTAINWALL100年古びない価値 さて、これからの建築物に求められる「性能」は、耐震性能に代表される安全性だけではありません。100年を超えてブランド価値を維持していけるかどうか、維持していくためにはどれくらいのランニングコストがかかるか、といったことも、「性能評価」を大きく左右する要素となっていくでしょう。 莫大な初期投資を必要とする超高層ビルの耐用年限が、これまでのように30∼40年というわけにはいきません。都心回帰の流れをまるごと呑み込むかのような巨大再開発は、投資を回収することができる建築物であることを、一般の人々にもわかる性能評価で示せるようになったからこそ実現したともいえると思います。 ちなみに、カーテンウォールは、未来社会を視野に入れた性能開発でもかなり先行しているようです。新日軽が現在取り組んでいるという、省エネを考慮したダブルスキンや、光触媒による低汚染タイプの塗料や塗装システム、建築コストそのものの軽減につながる各種工法の開発なども、次世代に生きる技術といえるでしょう。 そもそも、日本のように、都市の景観を根こそぎ変えてしまうような再開発を軸にした街づくりのあり方は、先進国ではまず見られません。今後は、日本でも、ヨーロッパで行われているようなリノベーションへと向かっていくことでしょう。 建築基準法の改正は、実は、再開発からリノベーションの時代へとスムーズに移行していくためにも不可欠のプロセスだったといえます。 3千万都民のライフタイルは多様で、求める生活空間も多様です。当然、リノベーション型の都市や建築物に価値を見出す人々もいるわけで、リノベーション市場にも、新築物件と同様の「性能評価」が適用されるようになれば、人々は安心して物件を購入することができます。 建築基準法の改正は、都内に帰りたくても帰れなかった人々を呼び戻し、ゴーストタウンを甦らせる起爆剤にもなりうると思われます。開発とリノベーション 六本木ヒルズも、汐留シオサイトも、品川インターシティも含めて超高層ビルが林立するこれら人工的な都市部分が、はたして生きた都市として地域に根づいていくかどうか、それは未知数ですが、目下、日本で最高級のブランドを誇る街であることは間違いなく、一流企業や高額所得者層を中心に新しい街へ向かう“民族大移動”が始まっているようです。 その一方で、再開発から取り残された地域に空きビルが増えるという「2003年問題」も深刻化しています。その解決策として注目されているのが、空きビルを住宅に転用していこうという、いわゆる「リノベーション(保存・修復)」です。PROLOGUE 高知工科大学教授 中田愼介4
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 これからは、社会システム(社会を動かすシステム)の構造そのものの改革をめざし、社会資産やインフラなどを効率的に経営していくシステムを組み込んだ、新しい社会システムを構築していくことがぜひとも必要です。 私たちはその実現に向けて、まずは一歩を踏み出しました。これまで専門分化されていた「建築学」「土木工学」「都市計画」「人文・社会」の研究分野を統合・発展させながら、「社会マネジメント」をキーワードに、人々が心豊かに暮らしていくための環境や空間、生活のシステムなどを創造していく研究が始まりました。 地方でも、新しい自治体のマネジメントに向けて、すでにフィールド実験も始まっています。 皆さんは、文部科学省が主催する「21世紀COEプログラム」をご存じでしょうか。世界的研究・教育拠点を形成するための支援策で、COEに選ばれることは、世界をリードしうる革新的学術研究拠点であると認められたことと同じくらいに、名誉あることです。私も研究メンバーの一員として参加している、開学8年目に入った高知工科大学の「社会マネジメントシステム学」が、2004年度のそのCOEに選ばれたのにはびっくりしました。 そして、世界をリードしうるその学術研究とは、一言でいうなら、土木・建築等の社会資本をトータルにマネジメントするシステムを構築していこうというものです。 現在、東京で進行中の再開発プロジェクトは、汐留シオサイトのように地元住民との協働で進めていく街づくりなど、これまでには見られなかった試みもあり、国や自治体が土木・建築物をどんどんつくる時代ではなくなりました。社会をトータルに動かすシステムづくりが始動注1)「21世紀COEプログラム」注1)参照文部省が、日本の大学に世界最高水準の研究拠点を形成するために重点的に行っている支援プログラム。2004年度は、高知工科大学の「社会システムマネジメント学」をはじめとする24大学28件(うち私立大学は4大学4件)が選定された。同学術分野は、東大名誉教授で、現在は高知工科大学の学長を務める岡村甫氏(コンクリート工学専攻)が、東大教授時代から構想していたテーマ。同じく東京大学の土木工学出身の那須清吾教授がCOEリーダーとなり、建築構造学の中田教授ほか研究グループが学際的な研究活動を活発に行っている。高知工科大学ホームページhttp://www.kochi-tech.ac.jp<プロフィル>中田愼介(NAKATA,Shinsuke)高知工科大学・工学部 社会工学科教授、工学博士東京大学大学院工学系研究科建築構造学専攻博士課程修了。東京大学助手、建設省建築研究所研究員、米国カリフォルニア大学バークレー校客員研究員、インドネシア公共事業省派遣専門家、建設省建築研究所国際地震工学部長を経て現在に至る。5

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