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製造業には「20年30年後の人たちが困らないようにする」という考え方が必須になってくる。建築業界全体で、世の中を良くしていこうという機運が高まっている。―ここ数年SDGsに取り組んでいる企業が増えてきている印象がありますが、建設業界でもその機運は高まってきていますか?川久保 必然的にやらないと社会的責任を果たせない時代になっていると思います。建設業は全世界の約40%のCO2を出していると言われています。ですので、業界全体が真剣に取り組まないと、カーボンニュートラルは到底達成できない。ただし、CO2だけ減らせば良いという話ではなくて、さまざまなことをトータルに考えることが大切です。脱炭素はもちろん、ホルムアルデヒドなどの有害物質を減らして健康問題を解決することも大事なことですし、それから資源循環も重要テーマといえます。ゴミを減らすどころか、ゴミと捉えること自体まず間違っていて、資源として循環させていくことが今求められています。そういう意味で、SDGsの観点から建築業界全体で、もう少しトータルに世の中を良くしていこうという機運が高まっていると感じています。―日本では2020年にカーボンニュートラル宣言を行って以降、住宅の脱炭素化への動きが一気に加速したように思います。川久保 日本は他の先進的な国から一歩二歩遅れてスタートしている側面があります。なので、今からカーボンニュートラルの製品が盛り上がってくると思いますが、それにいち早く対応しているというのが、GREENWINDOWなんだと思います。これ26GREENWINDOW
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慶應義塾大学理工学部後期博士課程修了。博士(工学)。専門は建築/都市のサステナブルデザイン。近年は、持続可能な開発目標(SDGs)を原動力としたまちづくりに関する研究を進めている。 主な受賞歴:文部科学大臣表彰若手科学者賞、グリーン購入大賞・環境大臣賞、日本建築学会奨励賞、日本都市計画学会論文奨励賞など。慶應義塾大学理工学部システムデザイン学科准教授川久保俊SHUNKAWAKUBOSPECIALINTERVIEW02ところも多いですが、たとえば林業を考えてみると、今植えた木は次売るまでに60年くらいかかるわけですね。今切ってお金を取らせてもらっているのは、親の世代あるいは祖父祖母たちの世代に植えてもらったもの。そして、今自分たちが植えているのは次の世代に向けたものです。このように林業はもともと持続可能な考え方は浸透している業界です。これからは製造業にも、20年30年後の人たちが困らないようにするというような考え方がより必須になってくると思っています。そのような意味でも、リサイクルを推進するGREENWINDOWはすごく重要な取り組みだと思いますね。これからはストックの時代です。これまで作っては壊し、作っては壊しのスクラップアンドビルドの時代でしたけど、GREENWINDOWのコンセプトの一つである「ロングライフ」もとても重要な考え方です。リサイクルも重要ですが、それ以上に大切なのはロングライフですよね。使い続けることが重要で、それが結果的に、リサイクルの回数を減らして、そのときに使うエネルギーを減らすことにつながる。ロングライフって、あんまり意識されていませんが、究極のエコだと思います。製造業者も生活者も、「自分は何ができるか」を考える時代。―ここまで作る側のお話をされてきましたが、使う側である生活者の意識はいかがでしょうか?川久保 一昔前とは全然違うと思いますね。工務店さんにヒアリングすると、お客様の方から「SDGsに配慮しているんですか?」とか「脱炭素の取り組みはどうなんですか?」といった話がよく出てくるそうです。SDGsの12番には、つくる責任とつかう責任の両方が入っています。製造業者も生活者もそれぞれが「自分たちができることは何なのか」を考えなければいけない。そのような時代がもう来ていると思います。までの省エネ住宅やZEHは、断熱性能を上げて冷暖房の使用を抑えて、CO2を減らすというのが、住宅の脱炭素の主要な取り組みだったと思います。しかし、それによってCO2を削減できる割合は全体の4割から6割くらい。残りの半分はどこなのかというと、作る段階なので、そこを見落としてきた側面があります。作る側の責任が今すごく求められている中で、作る段階からCO2排出量を考慮して、それぞれの地域に応じて最適な窓を提示するというGREENWINDOWはすごく面白い取り組みだと思いますね。工務店さんにもお客さまにもわかりやすいし、この窓を選ぶことが、自動的に快適かつ省エネな暮らしにつながって、お財布にも優しく、そして地球環境にも貢献してくれるというのはすごく良いことだと思います。―GREENWINDOWでは、CO2削減だけでなく、資源循環も重要テーマとして掲げています。この点についてはいかがでしょうか?川久保 製造業は、供給したらそれでおしまいという27

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