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ガラスの特性及び使用上のご注意について1.熱割れ窓にはめ込まれたガラスに太陽光があたることにより、その熱でガラスが割れることがあります。これを『熱割れ』と呼んでいます。窓ガラスが直射光を受けると、照射された部分は吸熱のため高温となり膨張します。一方、周辺のサッシにのみ込まれた部分や、影の部分はあまり温度上昇せず、低温のままとなります。この低温部は高温部の熱膨張を拘束し、結果としてガラス周辺に引張応力が発生します。この熱応力は被照射部と周辺部との温度差、すなわち板内温度差に比例し、ガラスエッジ強度を越える引張応力が発生すると『熱割れ』が起こります。この現象はガラスの特性として不可抗力的に発生します。割れ方の特徴としては、ガラスエッジ部から直角に割れが始まり、そのあと蛇行した割れ方になります。従って1枚のガラスにおいて低温部と高温部を発生させないようにするため下記注意事項を守ってご使用いただけけますようお願い致します。中央部膨張拘束拘束拘束熱割れは基本的には、ガラスの被照射部と周辺部との温度差が著しい場合に生じます。網入り板ガラスは、金属網がガラスに封入されているため、切断時にガラスの切り口にキズが付きやすく、許容応力が一般の板ガラスの半分程度になっているため、熱割れがより起こりやすくなります。特徴90°割れ方がガラスのエッジ部から直角に始まっている。(サッシから見えているガラスの端ではありません)サッシ枠ガラス【熱割れ防止対策】 ●ガラス面に密接して物を置いたり、立て掛けたり、衣類、座布団類を干したりしないでください。 ●冷暖房の吹き出し空気や熱を直接ガラスに当てたり、強い照明を当てたりしないでください。 ●ガラス面に紙、フィルムを貼ったり、ペンキを塗ったりしないでください。その部分の日射吸収率が極端に大きくなり熱割れが発生しやすくなります。 ●室内側ガラスの全面もしくは一部にカーテン、ブラインドなどを出来るだけ密着させないでください。又、適宜、カーテン・ブラインドを開閉し、ガラスとの間に熱溜まりが生じないようにしてください。 ●網入りガラスは金網がガラスに封入されているため、切断時にガラスの切り口にキズが付きやすく、許容応力が一般の板ガラスの半分程度になっているため、熱割れが起こりやすくなりますので、ご承知のうえご使用願います。14
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2.ガラスの外観欠点ガラスは製造上又、取扱い上、泡・異物・キズが発生することがありますが、これを完全に除去することは困難です。そのためJIS規格にもその許容範囲が明記されております。この外観欠点がJIS規格内であればガラスの性能を損なうものではございませんので、ご安心してご使用いただけます。3.ゆがみ複層ガラスは2枚の板ガラスの間に気体を密封しており、その中空層内の気体が気温や外気圧の変化によって膨張と収縮を繰返し発生させます。この膨張と収縮により、表面のガラスが膨らんだり、凹んだりすることによりガラス面の反射映像がゆがんでみえることがあります。この現象を『ゆがみ』と呼んでいます。また、強化ガラス、倍強度ガラス、耐熱強化ガラスは熱処理しているため、一般のガラスと比べ、反射映像の『ゆがみ』が大きくなりますが、ガラスの基本的な性能を損なうものではございません。■ゆがみ膨 張乾燥空気収 縮気温低下気温上昇外気圧上昇外気圧低下板ガラス封着剤4.干渉縞右図のO点から複層ガラスに入射した光が分割され、A、B別々のコースを反射・屈折をしながら進んだ後に、再び出会って光の干渉が起き、ガラス表面に虹のような縞模様が発生することがあります。これを『干渉縞』と呼んでいます。この現象は特定の時間帯・方位において発生することがあり時間の経過とともに解消されますのでご安心してご使用願います。■複層ガラスの概略図板ガラス中空層光路B光路A0点干渉が起こる板ガラス封着剤5.ヤケ(風化)板ガラスの表面に水分が長期にわたって付着すると、大気中の物質と反応し板ガラスの表面が化学変化を起こすことがあります。これによりガラスの光沢がなくなり曇った状態になったり、表面に薄膜が形成され光の干渉を起こして虹色に見えることがあります。これらの現象をガラスの『ヤケ(風化)』と呼んでおります。浴室などの高温多湿の場所、大気汚染物質の多い場所(都市部や工業地帯など)、海岸や湖の近くで潮風やモヤにさらされる建物など、湿潤の繰返しが多い場所に比較的発生しやすくなります。一度、この現象が生じてしまうと除去することは非常に困難となります。6.金属膜コーティングガラスによる電波障害『遮熱高断熱複層ガラス』・『高断熱複層ガラス』などは特殊金属膜により、遮熱効果、断熱効果の高いガラスですが、携帯電話など電波機器のご使用に障害が出る恐れがあります。特に建物が構造的に電波を通しにくい場合は注意が必要になります。7.中間膜の剥れ・部分剥離合わせガラスはガラスとガラスの間に特殊な中間膜が使用されており、この強靭な膜が防犯・防災や安全性に寄与しています。しかしながら、この中間膜は水分の介入によって剥離する特性を持ち合わせており、ガラスの端部が水分の影響を受けた場合、端部からわずかな部分に剥離現象が現れることがありますが、見え掛かり部分まで進行することは殆ど無く、万が一ガラス端部に剥れ・部分剥離が発生したとしても、合わせガラスの基本的な性能を損なうものではございません。15
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