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CONCEPTINTRODUCTION認知症への配慮65歳以上で要介護になった原因として、認知症の割合が18％（女性については20％以上）を占めています。アルツハイマー病、脳血管障がい、レビー小体病などの病気により、記憶や認識などの知的機能が低下した状態のことを指し、症状の進行により日常や社会生活においてさまざまな支障をきたします。下図、65歳以上の認知症高齢者数と有病率の将来推計についてみると、2012年は認知症高齢者数が462万人と、65歳以上の高齢者の約7人に1人（有病率15.0％）であったのが、2025年には約5人に1人になると推測されます。また、年齢を増すごとに発症率が高まっていくので、認知症の方が施設での生活において安全に過ごせるための配慮がますます重要になっていきます。認知症の症状としては、記憶障がいや見当識障がい、判断力の低下、失行などの中核症状とそれらに起因して生じる徘徊や不潔行為などの周辺症状があります。トイレにおける認知症の主な症状と行動特性⽔まわりに関わる主な症状原因となる中核症状具体的な⾏動特性失禁・不潔⾏為⾃⽴神経障がい⾒当識障がい実⾏機能障がい⾃律神経系の症状による失禁。オムツの不快感や排泄の失敗などによる弄便⾏為。認知症に起因する運動障がいにより素早く動けず間に合わない。器具などの使い⽅の失認・失行視覚失認記憶障がい視覚的な失認により、便器の座り⽅や器具の操作⽅法が認識できず壊したり、流し忘れや⽔の出しっぱなしをしてしまう。道順障がい・迷⼦⾒当識障がい判断⼒の障がい地誌的失⾒当記憶障がいトイレや浴室など⽬的の場所への道順や場所そのものの認識ができず、迷ってしまう。■認知症にかかっている方の割合（年齢別）■65歳以上の認知症高齢者数と有病率の将来推計0102030405060（％）（年）85歳以上80∼84歳75∼79歳70∼74歳65∼69歳55.5％24.4％10.9％4.9％2.2％02004006008001000120014002060205020402030202520202015201246246215％5175256027306757448308029537971016850115463116％18％20％23％25％27％33％（万人）各年齢の認知症有病率が一定の場合（人数）各年齢の認知症有病率が上昇する場合（人数）各年齢の認知症有病率が一定の場合（率）各年齢の認知症有病率が上昇する場合（率）出典：「日本における認知症の高齢者人口の将来推計に関する研究」（平成26年度厚生労働科学研究費補助金別研究事業）より算出出典：平成29年版高齢社会白書（概要版）高齢化の進展とともに増加する認知症高齢者20
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コンセプト・序章高齢者施設の水まわり空間に求められること排泄する場所の理解だけでなく、排泄行為自体の理解ができない•水洗いができる床材、排水口がある水仕舞の良い仕上げ•失禁への対応のための汚物流し、汚れた体をすぐに洗えるシャワーブース•浴槽内で失禁しても、早急に入れ替えができる個別浴槽失禁・不潔行為への配慮大便器や水栓などの使い方を失認•正面から馬乗りでも座れるひょうたん型大便器•自動洗浄※スタッフによる便の確認が必要な場合など例外となる場合があります。•自動水栓※操作に関してスタッフのサポートが必要な場合など例外となる場合があります。•大便器に流してしまった異物を除去できる掃除口付き大便器設備機器の使い方の失認への配慮地誌的見当識障がいでトイレの場所や道順がわからなくなってもたどり着ける工夫•トイレや浴室などを認識できる見やすいサイン表示•トイレや浴室などの各諸室への順路のサイン表示順路などの識別失認への配慮トイレ浴室水仕舞の良い床材ひょうたん型の大便器汚物流し自動洗浄（大便器から離れると自動で大便器を洗浄）正面から馬乗りで座れるひょうたん型の大便器シャワーブース（汚れた身体をシャワーで洗う）大便器の壁面の操作機器（洗浄ボタン、シャワートイレリモコンなど）が多くて混乱しないように、判別しやすい表示でJIS配列（P.12〜13参照）に準じて配置を統一することで、誤操作への配慮をします。掃除口付き大便器（大便器の掃除口から詰まった異物を除去）個別浴槽浴室のシャワー（汚れた身体をシャワーで洗う)【主な配慮ポイント】21PLANNINGBOOKELDERLYFACILITY高齢者施設
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