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GLOBALREPORT今、世界が住まいに求めることパッシブ設計で快適&環境負荷の少ない住まいを実現世界では「窓の大開口化」が一つのトレンドに断熱に対する意識の高さから、欧州は“小さな窓”が主流と思われがちですが、実は近年、欧州でもアジアでも、外の自然・景色を住まいに取り込む“大きな窓”がトレンドとなっています。ドイツをはじめとした環境先進国では、太陽の熱や光、風といった自然のエネルギーをできるだけ活用して、快適かつ環境負荷の少ない住宅を実現する「パッシブ設計」の考え方が浸透。パッシブ設計においては、窓は断熱だけに重きが置かれるのではなく、日射熱や自然の光・風を採り込む機能もきちんと考慮しながら選択することが求められます。欧州ではパッシブ設計の考え方が浸透しているのに対し、日本では、高性能設備を用いて能動的に住まいの省エネ化を実現する「アクティブ設計」の考え方が先行。窓選びの基準は断熱のみに焦点が当てられ、その結果、窓はより小さく少なくすることが正解という認識が広がりつつありましたが、2023年、窓の性能を示す表示制度が見直され、右のラベルのような断熱性能と日射熱取得率の両方の性能表示が推奨されるようになりました。今後は日本でも、断熱+自然エネルギーを活用するパッシブ設計の観点で最適な窓を選ぶ方向へシフトしていくことが予想されます。樹脂窓アルミ窓木製窓※出典:FreedoniaGroup2020201529.4%27.6%26.4%32.4%33.7%33.8%38.4%37.5%37.2%20202025予測海外では、アルミ窓の採用が増加アルミ窓はこれまで断熱性が課題とされてきましたが、海外では、樹脂窓の性能と遜色ないものも登場。強度やデザイン性などの価値が再評価されています。窓の性能表示ラベル(国土交通省)2023年、断熱性能に加えて日射熱取得率の表示が推奨されるようになりました。30GREENWINDOW
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ライフサイクル全体でCO2排出量を見える化し削減する動きが加速欧州では「LCA(ライフサイクルアセスメント)」での環境性能評価が主流に年々深刻さを増す気候変動の影響により、2050年には世界で2億1600万人※1が住居を追われると言われています。地球の気温上昇を抑えるためには脱炭素化を推進する必要がありますが、全世界のCO2排出量の約37%を占めているのが実は「建設部門」※2。その内訳を見てみるとエンボディドカーボンとオペレーショナルカーボンがそれぞれ50%となっており、世界では建設部門の脱炭素化に向けてエンボディドカーボンとオペレーショナルカーボンを合わせたライフサイクル全体でCO2を削減する動きが加速しています。そのような状況の中、欧州ではLCAに関する情報開示の流れが生まれています。LCAとは、原料の調達から生産・流通・製品の使用・廃棄・リサイクルに至るまでの一連のライフサイクルを対象に、環境負荷を定量的に評価するための手法。欧州のさまざまな国がLCA算定に関してルール化する方向へ動き出しています。また、日本においても、国土交通省がライフサイクル全体でCO2排出量をマイナスにする「LCCM住宅(ライフ・サイクル・カーボン・マイナス住宅)」の普及を積極的に推進しており、今後日本でもLCAが主流になっていくことが予想されます。※1出典:世界銀行「GROUNDSWELLPARTII―ACTINGONINTERNALCLIMATEMIGRATION」(2021年)※2wbcsd(持続可能な開発のための経済人会議)資料よりデンマーク建築基準法(2023)スウェーデン建築物の温暖化対策宣言(2022)フィンランドフィンランド方式(2024予定)オランダMPG(2013)フランスRE2020(2022)UKLondonPlan(検討中)ノルウェーNS3720/TEK17(022)EULevel(s)viaEPBD(検討中)欧州のLCA算定に関するルール(事例)「LCA(ライフサイクルアセスメント)」の概念図生 産リサイクル廃 棄流 通原材料調達使 用31
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