すべりの科学 8-9(10-11)

概要

  1. すべりの評価
  2. 試験機によるすべりの評価
  1. 8
  2. 9

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08すべりの評価すべり試験機の構造1現在、人間の感覚と一致するすべりを定量化し評価するものとして、当社はO-Y・PSM(東工大式すべり試験機)を採用しています。さまざまなすべり抵抗をもつ床に対して、官能検査によるすべりの感覚尺度を基にそれぞれのすべりの評価尺度を構成します。右は、O-Y・PSMの写真と模式図です。これは、人間が歩いているときの足の動きや荷重との対応を考え、床面と接触する面積が56cm2(7×8cm)のすべり片に、80kgf(785N)の鉛直荷重をかけて斜めうえに引っ張り、すべり抵抗係数を得るものです。すべりを測るものとその使用環境、つまり、何をはいているか、床表面に存在するものは何か、どのような動作をする場所か、など実状に対応する設定により、さまざまなすべり抵抗係数を得ることができます。このすべり抵抗係数をC.S.R(CoefficientofSlipResistance)、素足の場合はC.S.R・B(C.S.R・BathroomFloor)とよびます。先のすべり評価尺度とこのすべり抵抗係数の対応を検討することによって、すべりの最適範囲、許容範囲の例を求めるのです。試験機によるすべりの評価   東工大式すべり試験機すべり試験機によって、さまざまな条件下におけるすべりの評価が進んでいます。より安全で、快適な居住環境をつくるために、こうした評価を基に研究開発を推進しています。引っ張り力すべり片床材80kgf(785N)人間の歩行を前提としたすべり評価を行うために、当社はこのO-Y・PSM(東工大式すべり試験機)を導入している。図のようにすべり片に鉛直荷重をかけ、斜め上方に引っ張り、すべり始めた時の引っ張り力を鉛直荷重で除してすべり抵抗係数を得る。
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09すべり評価尺度とすべり抵抗係数の例2ある外の床に対して、男性が通常の紳士靴をはいて泥水を散布した床を歩行した例を見てみましょう。縦軸にすべり評価尺度をとり、すべる←→すべらないの評価を次のように7段階に設定します。非常に安全である/かなり安全である/やや安全である/どちらともいえない/やや危険である/かなり危険である/非常に危険である官能検査と同様の条件を設定したすべり試験機で測定したC.S.Rを横軸にとって、床のすべりの評価指標として示したものが図Aです。また図Bは、浴室の水濡れした床で歩行した場合の指標です。これを見ると、それぞれの条件で、C.S.Rの許容範囲と最適値、およびC.S.R・Bの許容範囲がわかります。人間の感覚を尺度化する官能検査の結果と、すべり試験機の抵抗値を対応させつつ、より実状のすべり感覚に近いすべり評価が可能になった。その最先端のすべり試験機O-Y・PSMによって測定されたすべり抵抗係数は、靴をはいた状態のときはC.S.R、素足のときはC.S.R・Bとよばれる。すべり試験機O-Y・PSM官能検査C.S.R(すべり抵抗係数)C.S.R・B(素足の際のすべり抵抗係数)0.20.40.60.81.01.21.4・0・-2・2[紳士靴、歩行の場合]すべり抵抗係数(C.S.R)かなり安全であるやや安全であるやや危険であるかなり危険である0.371.050.68非常に安全であるどちらともいえない非常に危険である0.20.40.60.81.01.21.4・0・-2・2[素足、歩行の場合]すべり抵抗係数(C.S.R・B)かなり安全であるやや安全であるやや危険であるかなり危険である非常に安全であるどちらともいえない非常に危険である0.62床のすべりの最適値と許容範囲3この例で許容範囲を『どちらでもない』という評価尺度以上とするとC.S.Rの許容範囲は0.37∼1.05です(グラフの青色部)。また評価の最適値は、0.68となります(グラフの赤丸)。このようにある床材のすべり評価を使用場面と同様な条件で測定したC.S.Rによってより安全な床材の選択が可能です。図A図B靴ばきで雨水の持ち込みの可能性がある場合は、屋外床用タイルが適当。同じデザインで屋内・屋外それぞれのC.S.Rを持つタイル「ヴィコレグラニカル」。

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