接着剤張り技術資料 36-37(38-39)

概要

  1. 4 接着剤張りの特徴
  2. 4.8 意匠性の向上
  3. 4 接着剤張りの特徴
  4. 4.9 スーパーベース工法の特徴
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4.8 意匠性の向上モルタル張りの場合には、タイルの目地が深いと、温度変化やコンクリート、モルタルの乾燥収縮の影響を受け、目地底部分に大きなせん断応力が発生するために、剥離事故の原因となります。これに対して、はるかべ工法(接着剤張り)は、接着剤層で温度変化やコンクリートの収縮等の動きを逃がし、タイルや接着界面に発生する応力を非常に小さくすることができます。このため、目地を詰めない空目地施工も可能となり、タイル外壁の意匠性が向上します。はるかべ工法による空目地施工の場合に、接着剤をくし目ごてで塗り付けることからタイルと接着剤との間に隙間ができます。この隙間に水が滞留し、凍結融解を繰り返した場合の影響を調べた結果を以下に示します。試験では強制的にタイルと接着剤との間に空隙をつくり、凍結融解繰り返し試験を行いました。試験はコンクリート板を下地として、接着剤とタイルとの接着面積割合が、20%、40%、60%、80%となるように部分的に接着剤を塗り付けました。タイルの裏面には、接着剤の塗付け部分以外に空隙ができるようにタイルの裏面に1mmのスペーサーを挿入し、二丁掛タイルを張り付けました。タイルの周囲は、凍結融解試験で空隙に水が溜まるように三方をシーリング処理し、上部から水が浸入する構成にしました。4週間室内で養生した後、気中凍結水中融解法にて、凍結融解繰り返し試験を300サイクル行い、試験体の損傷の有無の確認と接着強さの測定を行いました。試験結果を表4.10に示します。接着面積割合が小さくなると接着強さは低くなりますが、水の凍結によるタイルの剥離やひび割れは見られなく、タイル裏面に生じる空隙の大きさでは凍結による不具合は発生しないものと言えます。表4.10 凍結融解試験結果接着面積割合タイル損傷の有無接着強さ(N/mm2)20%無し0.2940%無し0.4060%無し0.5480%無し0.63FA-S工法、FA-L工法の場合には、タイル裏面に3~20mm程度の厚みの空隙ができますので、水が浸入して凍結した場合には膨張により発生する力が大きくなり、タイルの剥離やひび割れが発生する危険性があります。このため、接着剤を垂直方向に塗り付けて完全にオープンジョイントにするか、水抜きを付けて水がタイル裏面に滞留しないようにします。図4.34 細い目地を設定したタイル図4.35 空目地として陰影感をつけたタイル壁364■接着剤張りの特徴
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4.9 スーパーベース工法の特徴スーパーベース工法は、モルタルを使用しないで、下地調整とタイル張りの両方を有機系材料で行う工法です。下地調整には「スーパーベース」、接着剤には「ワンパックボーイR-V2スーパー、R-V2EW」を使用します。はるかべ工法でも優れた剥離防止効果が期待できますが、下地モルタルや部分的な下地調整のために塗り付けたモルタルにドライアウト現象や施工不良による接着力不足が発生すると、下地層から剥離する危険性があります。特に下地調整モルタルが薄塗りの場合には、モルタル中の水分の蒸発が早く、ドライアウト現象が生じやすくなります。また、モルタル塗りの接着性は、下地の吸水調整、練り混ぜ水量の管理、モルタル塗り付け時のこて圧等の職人の技量による差が生じやすい傾向があります。スーパーベース工法は、下地調整にも接着剤と同じ変成シリコーン樹脂系材料「スーパーベース」を使用することにより、ドライアウト現象や施工不良による剥離を防止します。371387.1.26.1.2.3.45.1.2.3.4.5.6.7.82.1.2.3.44.1.2.3.4.5.6.7.8.9.104.8 意匠性の向上/4.9 スーパーベース工法の特徴図4.36 スーパーベース工法の概要クシ目を均す接着剤張り用躯体ひび割れ誘発目地伸縮調整目地シーリング接着剤ワンパックボーイR-V2スーパーワンパックボーイR-V2EWスーパーベース有機系下地調整塗材

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