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4.6 耐久性(1)実建物での接着強さの経年変化RC造の建物外壁にタイルを接着剤張りした建物は、30年強の実績があります。実建物で接着強さの追跡調査を行なった結果を以下に示します。 物件用途:保養所 所在地:神奈川県足柄下郡箱根町 構造規模:RC造、地上2階地下1階建て 外壁仕上げ:50二丁外装壁モザイクタイル タイル張付け材料:変成シリコーン樹脂系接着剤 一部、セメントモルタル 外壁施工:1991年接着試験結果を図4.29に示します。一部にモルタル張り部分があるため、比較のために同時に試験を実施しました。接着剤張りの接着強さは、30年経過後も初期と同程度であり、材料及び接着の劣化は見られません。図4.29 接着強さの経年変化モルタル張り接着剤張り01.8051015経年年数接着強さ(N/mm2)202530350.20.40.60.811.21.41.6324■接着剤張りの特徴
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00204060想定経過年数接着強さ(N/mm2)801000.20.40.60.811.2図4.30 熱劣化による想定経過年数と接着強さの関係(2)熱の影響はるかべ工法(接着剤張り)の熱に対する長期耐久性を調べた結果を以下に示します。試験はJISA5557(外装タイル張り用有機系接着剤)に基づき、70mm角、厚さ20mmのモルタル板に接着剤をくし目ごてで塗り付け、50mm角外装壁モザイクタイルを圧着し、温度23±2℃、湿度50±10Rh%の環境で672時間(28日間)養生を行いました。JISの熱劣化処理は、80±2℃の高温乾燥雰囲気中で336時間(14日間)行うように規定されていますが、長期耐久性を調べるために最長572日間の熱劣化処理を行い接着強さの測定を行いました。接着強さの測定結果を表4.8及び図4.30に示します。想定経過年数としては、有機物の劣化速度の一つの指標として「10℃、2倍速」があります。これは、コンデンサーの充填樹脂の劣化等に用いられるもので、今回の試験にこの考え方を適用すると、本試験における80℃で572日の熱劣化処理は、20℃の環境下での使用を想定すると約100年に相当します。試験結果から100年相当の熱劣化処理を加えても接着強さの低下はほとんど見られず、良好な接着状態を維持するものと考えられます。表4.8 試験結果熱劣化処理時間(日)062958172286400572想定経過年数(年)01510305070100接着強さ(N/mm2)0.800.971.041.131.111.040.960.87334.6 耐久性1387.1.26.1.2.3.45.1.2.3.4.5.6.7.82.1.2.3.44.1.2.3.4.5.6.7.8.9.10
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