LHT SDGsハンドブック 14-15(14-15)

概要

  1. SDGs 3 健康と住まい
  1. 14
  2. 15

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OUTLINEヒトの体内時計は、睡眠、体温、血圧など、生体機能を24時間周期で調整しています。そのリズムを正しく刻むには、「光」の作用が必要です。そして、奈良県立医科大学 大林賢史 特任准教授とLIXILによる共同研究では「浴びる光の量を、日中は多く、夜は少なくすることで、疾病リスクが軽減する」ことから、「光」を活かした住まい方が重要であるとわかりました。体内リズムを整える光環境「光」を活かした住まい方家を建てる時は、リビングなどの日中を長く過ごす部屋に、光を取り入れることができる大きな窓や高窓を設置する。レースカーテン等を開けて、窓から入る朝の光を浴びて、体内時計をリセットする。就寝時にはシャッターや雨戸を閉め、しっかりと遮光する。遮光カーテンでも可。●●●健康あらゆる年齢のすべての人が健康的な生活を送ることができ、福祉を受けられる社会を推進と住まいたとえば、乳幼児や妊産婦の死亡率が非常に高いという開発途上国の課題をはじめ、薬物、お酒やたばこ、交通事故、環境汚染の被害など、世の中には予防・治療の機会があれば救えたかもしれない命がたくさんあります。それらの命を救うためには、すべての人に医療が届けられる体制整備が不可欠です。人びとの健康の確保と福祉の促進、それがこの目標の柱です。SDGs目標3CHECK基礎的な保健サービスを受けることができない人は、世界人口の約半数にのぼります。コロナ禍の影響もあり、2021年に定期予防接種を受けられなかった子どもは2,500万人。それは2019年より600万人も増加した結果に。社会の課題課題への取り組み健康づくりの第一歩は「ゼロ次予防」。温度や光などの「住環境」が健康リスクにつながることがあるのです。健康づくりの基礎は、住環境を整えることから始まります。予防医学とは、病気になりにくい健康な体づくりとその持続のこと。その取り組みは、ゼロ次予防から3次予防まで4つのステージに分かれています。どのステージでも、病気のリスクや健康状態などの現状を把握しておくことで、的確な予防対策をすることができます。ISSUE出典:※1日本ユニセフ協会HP ※2世界銀行・世界保健機関(WHO)「ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)に焦点を当てる:グローバル・モニタリング報告書」(2017年)※3国連「SDGs報告2023:特別版」(※3)(※2)ボクの家のリビングにある、光がたくさん入る窓が、実は家族の健康を守ってくれていたとは気づかなかったな。ゼロ次予防につながる住環境1ACTION病気の悪化や再発を防止病気がひどくなる前に見つける体と心の健康を育む3次予防2次予防1次予防ゼロ次予防健康づくりの行動を助ける監修:首都大学東京・星旦二 出典:星旦二 ゼロ次予防に関する試論地域保険vol.20-61989医療機関を活用家庭で実践生活習慣づくり健康診断早期治療治療リハビリ住環境づくりPOINT!東京都立大学名誉教授星旦二 出典:星旦二 ゼロ次予防に関する試論地域保険vol.20-61989世界には、肺炎、下痢、マラリアという、日本では治せるはずの3つの病気で亡くなる乳幼児が多数。2017年には150万人以上が犠牲に。(※1)SDGs目標314
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急な温度差によって血圧が乱高下し、心筋梗塞や脳卒中を引き起こす「ヒートショック」は、特に冬場が要注意です。浴室と脱衣所、廊下やトイレなど、暖かい部屋と寒い部屋を移動する時に発症することが多く、入浴中に亡くなる方は推計で年間約19,000人※。そんなヒートショックのリスクは、家の「断熱性」を高めることで軽減されます。ヒートショックを予防する室内温度住まいの断熱性能が血圧・心拍・皮膚温に及ぼす影響とは?現在、LIXILは慶應義塾大学の伊香賀研究室と共同実験を行っています。2020年の実験では、ショールーム「住まいStudio」(→P16)内にある、断熱性の異なる「昔の家」「今の家」「これからの家」を再現した部屋で実施。冬の環境条件に設定し、被験者がそれぞれの家の「暖房のある居間」と「暖房のないトイレ」で50分間ずつ過ごし、ヒートショックのリスクにつながる血圧・心拍・皮膚温を調べる実験を行いました。昔の家居間(暖房室)トイレ(非暖房室)※HEAT20(2020年を見据えた住宅の高断熱化技術開発委員会)が定めたより高いグレードによる住宅今の家これからの家断熱性の低い「昔の家」に比べ、断熱性に優れた「これからの家」は、部屋間の温度差が6.8℃も少なく、暖かいリビングから寒いトイレに移動した時など、身体への負担が小さいと言えます。実験の結果からも、「部屋間温度差が1.0℃違うと、①血圧上昇量が0.7mmhg小さい、②皮膚温度(足の甲)低下量は0.1℃小さい」ということがわかりました。(昭和55年基準)(平成28年基準)(HEAT20G2※)課題への取り組みゼロ次予防につながる住環境2ACTION温度差12.1℃温度差9.6℃温度差5.3℃6.8℃も違う!ANOTHERTOPICSもう1つの住まいの健康リスク、室内熱中症(→P6)。その予防のために「ライフアシスト2」を活用してみませんか?「ライフアシスト2」は、家電や建材、住宅設備などの遠隔操作ができるスマートホームシステム。どこにいても室内温度を確認できるため、離れて暮らす両親や学校から帰宅した子ども、ペットなどの熱中症リスクを見守ることが可能です。また、「28℃を超えたら、エアコンON」と自動設定しておけば、家にいる時も安心して過ごせます。「室内熱中症」の新しい予防法。IoTシステムで、住まいの健康を見守るライフアシスト2スマホの専用アプリで遠隔操作する、またはスマートスピーカーでの音声操作により、住宅設備、家電などの機器を自在に動かすことができるホームデバイス。暮らしをより便利にするだけでなく、防犯など、安心・安全の対策にも◎実験結果出典:※厚生労働科学研究費補助金入浴関連事故の実態把握及び予防対策に関する研究平成25年度総括・分担研究報告書15

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