Water&Kitchenテクノロジーブックvol.5 12-13(14-15)

概要

  1. Evolution of Lifestyles
  2. 2020年に語る日本のライフスタイルと水まわりの進化。
  1. 12
  2. 13

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柏木「トイレは、階段下や廊下の突きあたりのところなどに追いやられた場所にプランニングされることが多かったですよね」後藤「そうですね。トイレが表舞台に出てきたのは、シャワートイレの誕生と、INAXがトイレをリビングやダイニング、キッチンに続く第3空間というコンセプトを打ち出して、六本木のアークヒルズに世界から集めた水まわり製品を展示したXSITE(エクサイト)からだと思っています」柏木「見に行きましたよ、何度も。そして、その後ひとつの結節点になっているのがサティスでしょうね。サティスが出てきてトイレの価値が変わりましたよね。タンクがなくなったことでデザインがシンプルになり、トイレ空間が広がりました」後藤「業界以外の反応も大きくて、情報誌やファッション雑誌にも取り上げられました」柏木「それらは日本のトイレのエポック的な出来事だと思っています」柏木「さらに少しトイレが変わり始めていて、昨年ロンドンに行ったら、男女で分けずに同じスペースになっているんです」白井「LGBTなどのさまざまな方に対して差別なく、配慮しているからですね」柏木「そうでしょうね。差別なくというのは一つの方向性ではありますが、男女いっしょであるがゆえの清潔感への不満や、すれ違うときの異質な感じなどの課題は、日本人ならではの心配りや技術で解決していけるのではないでしょうか」白井「サティスのコンセプトはまさにそれです。トイレに必要とされるあらゆる機能をコンパクトに凝縮し、建築のエレメントとして決して主張することなく、多様な空間やユーザーにスマートにフィットするようにデザインしています。限られた空間を有効活用し、一つの物に複数の用途を見出すことを日本人は古くから得意としてきました。この思想や文化は世界に通用すると考えています」日本のトイレを変えた、第空間とサティス。世界のトイレに日本の心配りと技術で貢献。1967年発売の国産初のシャワートイレ「サニタリイナ61」と2001年発売の世界最小タンクレストイレ「サティス」ショールーム「XSITE」。10カ国30社から集めたトイレやバスの名品を約800点展示。1日400人∼500人が訪れ、水まわりの概念を大きく変える役割を果たした。トイレを快適な空間にする。12
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後藤「タイルは、LIXILの大きな差別化ポイントです。INAXブランドはやきものの街・愛知県常滑市が原点であり、外装タイルから耐水性、耐久性に優れた半磁器内装タイルを開発し、一般家庭のお風呂やトイレにタイルを普及させるなど、私たちの歴史の中でタイルは大きな存在です。タイルの最先端を行くものとして、調湿機能を持ったエコカラットがあります。素材の中にある無数の孔(あな)をコントロールすることで湿気は通すけれど、水や汚れはほぼ通さない機能を実現しました。そして今後はタイルが持っているやきものらしさ、装飾性をあらためて追求していくことになると思います。タイルの情緒的な価値は他のものに置き換えることはできないものですから」柏木「高度経済成長のときは、家が足りないから、設備が足りないから、という状況で早くたくさんつくろうとしてきたわけですけれど、これからはそういう時代ではなくて、より自分に合ったよいものを長く使う、よいものを大事に使うという、より戻しではないですけれど、そういう方向に変わっていくように思います」白井「そこで注目すべきは、タイルではないでしょうか。タイルは、土という自然の素材と火というエネルギーを使い作るものですから、そこには言葉では言い表せない感触……何とも言えない心地よさ、ゆらぎのようなエネルギーを感じます。人は素材が持つ本質的な特徴を見たり触れたりすることで感じ取っています。より長く愛着をもって商品を使っていただくためにも、これらの点にもっと注目すべきだと考えています」タイルは人に長く愛される。エコカラットは進化を続ける。1937年、伊奈製陶が発売した半磁器内装タイル。1999年に開発された、調湿機能を持つエコカラット。時代は、タイルに帰る。13

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