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驚かれるほど徹底した行動観察と分析を行っていた。「ヒューマン・フィット・テクノロジーは、調理中の心理や身体に負荷となっている原因を観察と分析から導き出し、最新の技術で解決するLIXILキッチンの商品開発コンセプトです。この名称を使うようになったのは2009年ごろ、システムキッチン・リシェルの企画・開発をしていたときになります。新ブランドとなる商品でしたので、外部のブランドコンサルタントも参画しての商品開発でした。当時はリーマンショックの影響でデフレのまっただ中。お客さまが本当によいと思うものでなければ選ばれない時代でした。そのような状況の中で、コンサルタントの方が注目したのが、私たちが商品開発の際に行なっている行動観察・分析でした。私たちにとってそれは当たり前のことだったのですが、いろいろな会社を見てきた彼らには、やりすぎなくらいやっているレベルだったようです。ここまで徹底しているのはもはや独自性と言え、使いやすい商品ができる背景であることから、ヒューマン・フィット・テクノロジーという名をつけ、技術ブランドとして打ち出していくことになりました」1時間の行動観察でも、分析に何十時間とかかることも。「行動観察の基本はフィールドワークです。一般のご家庭を訪問し普段通りの調理をしていただき記録します。その後それを分析してお客さまも気づいていないムダな動きや予想外の行動などを洗い出します。そしてなぜそのようなことをするのかということを推測していくことで、未充足の潜在的な不満や欲求を導き出していきます。分析も調理行動専門のやり方が世の中にあるわけでもないので、自分たちで考えます。例えば1時間の調理作業の映像を1分ごとに区切り、1分間で何工程の作業が行なわれたかなどを詳細に見ていくこともあります。また、どんな道具を使ったか、その道具がいつ出されて、いつ片付けられたかなど、人と道具の動きをひたすら追跡していくこともあります。観察は1時間くらいでも、気づきを得るまでの分析は数十倍の時間がかかる膨大な作業です。そして得られた気づきを基に、調理作業がスムーズに流れるようアシストする機能をデザインします」お客さまの望みは、最小限の動作で、最大限の効果を生むこと。「ヒューマン・フィット・テクノロジーから生まれたものの一つが『らくパッと収納』です。立ち位置を変えずに取り出せる、一つの調理タスクで使用される複数の道具が一度に出せるなど、ムダな動きをしないことをかなえる収納を考えました。その効果はモーションキャプチャーを使った動作解析など科学的な検証で効果を確認し商品化。お客さまからとても喜ばれています。その他にも、食器洗い乾燥機のユーザーを観察し食器の予洗い行動を分析。水を出しっぱなしにする人と、その都度出し止めする人がいることがわかり、水の無駄と作業工数を同時に減らす『ハンズフリー水栓』を開発したという事例もあります」キッチンは、ヒューマン・フィット・テクノロジーで進化する。「キッチンは、調理をするための道具です。ヒューマン・フィット・テクノロジーに基づいて開発していけば、キッチンの作業性、収納性、清掃性を今までにないレベルに極めていけると思っています。調理をし、食事をし、後片付けをするなかで、そこにいる人が笑顔でいられることが一番素敵なことだという信念を忘れることなく、より進化したキッチンを提案していきます」ヒューマン・フィット・テクノロジーで、キッチンを道具として極める。左上:ひろびろWサポートシンク。調理と後片付けの効率アップを実現。左下:ハンズフリー水栓。食洗機の予洗いなどの面倒な吐水・止水を自動化。右:らくパッと収納。使用頻度によって収納場所を決定。必要な物をラクな姿勢で取り出せる。LIXILKITCHENDESIGN42
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田口哲キッチン事業部 デザイン・先行技術推進室室長43

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