左ページから抽出された内容
安定した気密・断熱性能の確保へスーパーウォール工法に一本化することを決意どのようにして断熱性能を高めていますかQ3高気密・高断熱住宅に取り組み始めた当初は、さまざまなものに挑戦しました。スーパーウォール工法だけでなく、繊維系断熱材と気密シート貼りを組み合わせたものなどに取り組みましたが、気密測定を行ってみると思ったような性能が出ないということもありました。今なら、もっと気密性能を出建築のフジサワさまのパッシブファーストの住まいづくり単に性能値などを説明するのではなく、﹁健康﹂といったお客さまが関心を示しやすい切り口から性能の大切さの話へと移していくと、自然とお客さまの意識に入っていくように感じています。特に女性は冷え症などに悩んでいる方も多く、温度の話に敏感です。断熱性能を高めることで、室温を一定に保てることなどを話すと、熱心に耳を傾ける方が多いですね。当社の住宅はHEAT20の考えに基づき、4地域の場合、概ね13℃を下回らないように設計しています。こうした点なども、丁寧に説明しています。また、LIXILリフォームショップで使用している﹁ライフスタイルコンパス﹂も使って、お客さまの潜在的なニーズや志向を分析します。簡単な質問に答えていただくだけで、夫婦間で重点を置いているポイントの違いなども一目瞭然になります。初回プレゼンの際には、プラン提案に加えて、温熱環境や風の流れなどのシミュレーション結果も提示します︵写真③、④︶。当社では、パッシブデザインの要素は﹁基本性能﹂と考えて、地窓や高窓は風が自然に抜けるように、効果的に配置しています︵写真⑤、⑥︶。そういった風の流れ方などの工夫も、プレゼン資料でしっかり見せることにより、お客さまに、より性能のよさが伝わります。さらに一次エネルギー消費量やランニングコストなどの試算結果を提示することによって、お客さまも、﹁ここまでやってくれるなんて!﹂と、当社に決めてくださいます。初回プレゼンは無料で行っているので、コストとクオリティのバランスを取るのは大変ですが、こういったことが成約に結びついていると思っています。デザイン性とパッシブ要素を両立LIXILGoodLiving友の会の建築家紹介システムBDACを用いて、建築家とコラボしたデザイナー住宅を提案。パッシブ要素とデザイン性を両立しています。また、デザイン性の高さでお客さまに関心をもってもらい、その後の面談などでパッシブデザインの要素や気密・断熱性能などについて丁寧に説明するようにしています(写真①、②)。5初回のプレゼン段階で温熱環境や風の流れ、光熱費などのシミュレーション結果を分かりやすくお客さまに提示するようにしています(写真③、④)。回ゼ階熱風れなどミレシ客1243初回のプレゼンでシミュレーション結果などを表示22|
右ページから抽出された内容
パッシブファーストの住まいづくり 基礎講座︵実践編︶②パッシブファースト早わかり顧客満足度を上げる家づくり連載企画連載企画﹁顧客満足度を上げる家づくり パッシブファースト早わかり﹂。今回のテーマはパッシブデザインの基本でもある断熱性能についてです。冬の寒さが厳しい岩手県で積極的にパッシブ住宅を提案している有限会社建築のフジサワの藤澤和也社長にお話をお聞きしました。2010年に私は社長に就任したのですが、当時はリフォームや下請けの仕事が中心で、新築が0棟という年もありました。下請けの仕事の際、スーパーウォール工法の物件があり、建てるからには知っておいた方がいいなという考えから、スーパーウォール工法の取扱店に加盟しましたが、自社での実績はないまま過ごしていました。そうした中、2011年8月にLIXIL主催のセミナーに参加したことにより、大きな転機を迎えることになります。テーマは国策や大手ハウスメーカーの動向などについてでした。その時、私は30歳。ハウスメーカーの取り組みや今後の住宅業界を取り巻く環境を目の当たりにし、若い社員を抱えている身として、﹁このままのスタンスで会社を続けていても生き残れない!﹂とハッとさせられたのです。まず、これからは性能が重要になることは間違いないと確信し、高気密・高断熱住宅に取り組むことを決意しました。当社がある岩手県大船渡市は、岩手県の中でも比較的暖かいという意識が住民の方たちにあり、断熱性能に疎い傾向にありました。しかし、実際は冬場になれば厳しい寒さに晒されるわけですが、地元の方には当たり前のことなので、当初は断熱の重要性を理東北の冬を快適にするワンランク上の高気密・高断熱住宅を提案有限会社建築のフジサワ藤澤和也社長このままでは生き残れない⋮変化の必要性を実感初回プレゼンは無料性能と健康の説明で心をつかむパッシブデザインに取り組むようになったきっかけは?Q1お客さまにどのような説明をされていますか?Q2︻有限会社建築のフジサワさま︼解してもらうことに苦労しました。大手ハウスメーカーなどと比べると、知名度やブランド力では勝てない。その中で、通常よりコストが高くなる当社の高性能住宅のよさを知ってもらうにはどうすればよいのか││。そこからさまざまな方法の模索が始まりました。性能のよさを知ってもらうためにも、まず興味を持ってもらうために、見た目が重要と考え、LIXILGoodLiving友の会の建築家紹介システムである、BDACを活用して建築家とコラボしながら、デザイン性の高い住宅を訴求しました︵写真①、②︶。その後、自社の強みである性能に関して話すわけですが、ただ﹁断熱性能がいいんです﹂では、お客さまの気持ちをつかむのには弱い。自信を持って、満足度の高い家を提案したい。そんな思いから、お客さまに冬は暖かく、夏は涼しい、一年を通して﹁快適でここちよい﹂家だと感じていただけるよう、パッシブデザインにも力を入れていくことになりました。|21
お探しのページは「カタログビュー」でごらんいただけます。カタログビューではweb上でパラパラめくりながらカタログをごらんになれます。