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名古屋愛知県知多半島常滑常滑という地LIXIL(INAX)の品質と革新を育んだ街。やきものの産地としては特異な、海に開いた街。ここは愛知県常滑市。LIXILのルーツの一つであるINAX創業の地です。1000年の歴史を持つやきものの街で、常滑は瀬戸、備前、信楽、丹波、越前と並ぶ六古窯の一つです。常滑を除いた5つの窯場は山の中にあり、常滑焼のみが海に面した地で発展をしてきました。海に面しているため大きな商品をつくっても海運で日本中に運ぶことができ、さらに、国内外の交流が盛んに行われました。常滑には、常に外部から新しい文化を柔軟に受け入れ新しい価値をつくっていく環境が整っていたのです。海に面した常滑の街ろっこよう12
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常滑焼の品質を高めてきた先人たち。INAXの歴史は、江戸時代に伊奈長三郎(初代長三)が常滑で茶器の製造をはじめたときにさかのぼります。その作品は味わい深く、指先だけで練り上げられた妙技がつつましやかな姿を呈した逸品で、現在は常滑陶芸研究所などに所蔵されています。その後、息子の二代目はロクロを巧みに使って品質を飛躍的に向上させ、三代目は極めて薄手の酒器などを練り上げる名手になりました。このように伊奈家は常滑焼を代々受け継ぎ、常滑窯業界を牽引していきます。フランク・ロイド・ライトの要求に応えた技術。時代は明治になり、都会では下水道への土管の利用が注目され始めました。その動きを察知した伊奈初之烝がこれまでの小細工物から工場を使った土管製造へと大きく転換します。初之烝と息子の長三郎は、著名な建築家フランク・ロイド・ライトによる帝国ホテル旧本館の専用煉瓦工場の技術顧問として参加し、後のINAXの礎を築きます。やきものの繊細な技術を積み重ね、社会の動きと共に発展し、挑戦を続ける。日本のブランドとしての品質と業界に先駆けてテクノロジーを開発するINAXブランドの革新性は、この常滑で育まれました。上:社会の変化に応え土管を生産。写真提供:常滑郷土文化会つちのこ「なつかしき常滑」より左下:帝国ホテル旧本館のスダレ煉瓦。/右下:ライトの要求に創意工夫で応えた。13
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