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18 LIXILユニバーサルデザイン製品の研究・開発LIXILユニバーサルデザインの考え方やUDアイデアにあふれた製品の研究・開発を普及させるため、外部とのコミュニケーションも積極的に行っています。ユーザーと共に創るユニバーサルデザイン視点の開発プロセス実際にお湯を使った入浴実験の様子より多くの方が使いやすい製品をめざして、LIXILではユーザーによる検証を製品開発の過程で実施しています。その成果の一例が、入浴をサポートするアイテム「フラットサポートバー」「腰掛付保温フタ」です。片マヒの方、膝に疾患のある方、健常高齢者の方に協力いただき、研究所と開発スタッフ、デザイナーが2年間掛けて検証を繰り返し、製品化に至りました。その際、全員がこだわったのは次の3点です。①お湯を使うなど実際の入浴に近いテスト 環境とすること ②脱衣から洗体∼入浴、退室まで『一連の 動作』を見ること③ユーザーの動作に合わせてその場で試作 をつくり変えていくこと開発に長く携わってきた者や、協力いただいた社外の専門家の方々にとっても新たなチャレンジであり、示唆に富んだプロジェクトとなりました。こうした検証の結果から生まれた、「一連の入浴動作をサポートする」という考え方を他の商品にも展開。LIXILのシステムバスルームに「サポートパック」として同様の機能を盛り込んでいます。立ち座りを検証専門家の声元国際医療福祉大学大学院 野村歓教授(工学博士)LIXILの取り組みの特徴は、「片マヒ」など多様なユーザーとの協働関係をベースに、実際にお湯を使った入浴実験を通して、商品開発に向けての多くの知見を得ていくプロセスにあります。また、人間工学、理学療法、建築ユーザー参加型製品開発例システムバスルーム「サポートパック」動線をつなぐ「フラットサポートバー」いったん座れる「腰掛付保温フタ」スッキリした形状で、浴室内の横移動に最適です。握力が弱い方でも身体を支えられるよう手すりの上面をフラットに。握った手がぐらつくのを防ぐため、表面にもフラットな面を設けました。足元に不安を感じる方もいったん腰掛けてラクに浴槽の出入りができます。使用しない時はたたんで収納でき、カンタンに取り外せるのでお掃除ラクラクです。使用時収納1収納2の専門家が同時に関与した点も評価できるでしょう。このように徹底して浴室実験のあるべき姿を追求した経験は私自身も初めてで、継続的な取り組みと、さらなる展開を期待したい(談)。
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LIXILユニバーサルデザイン 19LIXILショールーム高松「多機能トイレ」JIS制定に関する取り組み最近の公共施設やショッピングセンターのトイレは、設備も充実してきましたが、一方で、どこに何があるか分かりにくいといった問題も出てきています。そこで、安全で快適なトイレ空間の提供を目的に、設備器具の使いやすい設置位置を規格化する産学共同研究にLIXIL(INAX)も参加しました。視覚に障がいのある方、車椅子使用の方、マヒをお持ちの方などさまざまな身体状況の方にご協力いただき、ひとりでも多くの方にとって使いやすい器具の配置の検証を繰り返しました。この時の結果を元に、公共トイレにおける、大便器横の壁面に設置される紙巻器、便器洗浄ボタン、呼び出しボタンの配置基準を定めた「JISS0026※1」が2007年3月に制定されました。LIXILではショールームにおける多機能トイレの壁面配置を順次、JISを基準とすることで、必要な設備を整えるだけでなく、ひとりでも多くの人が使いやすい空間づくりを心がけています。上左:車椅子使用の方の検証の様子上右:視覚に障がいのある方の検証 の様子JISS0026※1を満たす壁面器具設置例※1高齢者・障害者配慮設計指針公共トイレにおける 便房内操作部の形状、色、配置及び器具の配置
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